【既婚女性が独身男性から“離れられない”】その理由と心の整理法

終わらせたい、でも終われない。
既婚という立場でありながら、独身男性との関係に踏み込み、いつの間にか「簡単には離れられない」と感じている──そんな女性は少なくありません。

この関係に正解はないけれど、いまのあなたの心の中には、きっと「理由」があります。

本記事では、既婚女性が独身男性と離れられない背景や心理、そしてこの関係をどう受け止めるべきかについて、現実的な視点から整理していきます。

目次

第1章 なぜ“既婚”であるのに惹かれてしまったのか?

① 結婚生活では得られなかった感情

結婚しているのに、他の男性に心が惹かれてしまったのはなぜなのでしょうか。まず考えられるのは、結婚生活の中で満たされなかった感情があったからです。

結婚は決してゴールではなく、むしろ夫婦の日常が始まるスタートです。しかし年月を経るうちに、結婚前に抱いていたときめきや興奮が薄れ、恋愛のドキドキや刺激を感じられなくなることがあります。平穏な生活は幸せな反面、刺激を求める気持ちが心の片隅に生まれてしまうこともあるでしょう。

また、結婚生活の中で女性として扱われていない寂しさを感じる場合もあります。長く一緒にいる夫からは家族として愛されていても、異性としてのときめきや賞賛は得られにくくなることがあります。

例えば夫から容姿を褒められたり特別扱いされたりする機会が減ると、自信を失い「女性として見てもらいたい」という思いが募っていきます。結婚生活で得られないロマンチックな感情やときめきを、偶然出会った独身男性との関係に求めてしまったとしても不思議ではありません。

② 「自分を見てくれる人」への渇望

結婚して家庭を守っていると、どうしても自分のことは後回しになりがちです。妻として母として周囲に尽くす中で、「自分をちゃんと見てくれる人」に飢えてしまう女性もいます。

独身男性との関係に踏み込んだきっかけとして、彼が自分の存在価値を強く感じさせてくれたというケースは多いでしょう。夫や家族からは当たり前の存在として扱われている日々の中で、久しぶりにひとりの女性として大切にされると、心が潤い「私はここにいていいんだ」という安心感を覚えます。

彼が見せる純粋な好意や情熱によって、自分でも忘れていた「女性としての自分」を思い出すこともあります。

例えば、彼があなたの些細な変化にも気づき、「今日の服、似合ってるね」と言ってくれたり、真剣に悩みを聞いてくれたりすると、その優しさに心が満たされますよね。日常生活で埋まらなかった心の空白が、彼の存在によって満たされ、「もっとこの人を近くに感じていたい」と思うようになるのです。

実際、既婚女性が独身男性との関係を続けてしまう背景には、自分自身でも気づかない満たされない心の空白が隠れている場合があります。その空白を埋めてくれる誰かを求めたとき、タイミング良く現れた相手に強く惹かれてしまうのは自然な心理と言えるでしょう。

③ タイミングと状況が重なった偶然

既婚女性が独身男性と特別な関係に至るのは、必ずしも意図して起こるわけではありません。多くの場合、偶然のタイミングと状況が重なってしまった結果でもあります。

例えば、家庭内で孤独を感じている時期に職場や趣味の場で気の合う独身男性と出会った、といった巡り合わせです。心にぽっかり穴が空いている時ほど、人はそこに入り込んでくれる温かな存在を求めてしまいますよね。

具体的には、「夫との関係がうまくいかず辛かったときに優しく話を聞いてくれた」「子育てが一段落して自分の時間が増え、ふと虚しさを覚えていたところに声をかけてくれた」など、心が弱っている瞬間に差し伸べられた手に救われた経験があるかもしれません。

そうした偶然が重なり、「この人は運命なのかもしれない」と感じてしまうことも。理性ではいけないと分かっていても、その時の感情の高ぶりは抑えがたいものです。

結果として、既婚という立場を忘れるほどに惹かれてしまうのです。

偶然の出会い自体は誰にでも起こりえます。ただ、その偶然を「特別な意味がある」と感じる背景には、やはり第1章①②で述べたような心の渇きが存在しています。

渇いた心に偶然という名の雨が降り注いだとき、人は理屈ではなく感情で動いてしまうのです。

第2章 独身男性との関係に生まれる「依存」と「期待」

① 相手が自由であることの危うさ

独身男性との関係が深まっていく中で、気づけば彼に依存してしまっている自分に戸惑う女性も多いでしょう。同時に、心のどこかで「この関係はいつまで続くのだろう」と不安を抱えているかもしれません。

その不安の一因となるのが、相手である彼が結婚という拘束を持たない“自由な立場”であることの危うさです。

彼は独身ゆえに自由に生きられる立場です。家庭に縛られる必要もなく、極端に言えば明日どこへ行こうと何をしようと彼の自由です。

それは魅力的でもありますが、同時に既婚者であるあなたにとっては不安要素にもなります。なぜなら、彼はあなたとの関係に法的・社会的な責任を負っていないため、関係を続けるも断ち切るも彼の意思ひとつで決められてしまう面があるからです。

極端な話、彼が他に好きな人を見つけても、彼自身には何の束縛もない状態です。そうした自由さは彼の魅力である一方、あなたにとっては「いつか置いて行かれるのでは」という恐れにつながります。

結果として、彼の心が離れないようにと無意識に機嫌を伺ったり、自分の本音を押し殺して彼に合わせすぎてしまったりと、危ういバランスの中で関係を続けてしまうこともあるでしょう。

② 無意識に求めてしまう“救い”

独身男性との関係にハマってしまう背景には、あなた自身が無意識に「救い」や「癒し」を求めている可能性があります。結婚生活や日常の中で生じた心の傷や寂しさを、彼が埋めてくれる存在になっているということです。

辛いときに優しく話を聞いてくれたり、心の支えになってくれたりする彼は、まるでオアシスのように感じられたことでしょう。「この人がいてくれるから自分は大丈夫」と思える相手がいる安心感は、とても甘く心地よいものです。

しかし、その安心感に頼りすぎると、次第に彼なしでは心が満たされない状態に陥ってしまいます。一時的でも彼と過ごすことで心が満たされると、その記憶が脳に強烈な報酬として刻まれます。

そしてまた寂しさや不安を感じたとき、無意識のうちにその記憶を呼び戻して「もう一度あの安心感を味わいたい」と望んでしまうのです。これはちょうど砂漠で水を知ってしまった人が、水なしではいられなくなるようなものかもしれません。

さらに、人は危険やリスクを冒して得た快感ほど強く記憶し、習慣化しやすい傾向があります。不倫という本来いけない状況で得られる喜びは、禁断だからこそ刺激も大きく、より深く心に刻まれてしまうのです。

そうして気づかないうちに彼への依存が強まり、「離れたらまた元の孤独な自分に戻ってしまう」と感じるようになります。その裏には、「自分を救ってくれるのは彼しかいない」という心理が潜んでいるのかもしれません。

③ 相手も真剣に見えてしまう理由

既婚女性である自分がこれほど彼を想っているのだから、彼も同じくらい自分に真剣なはず──そう感じてはいないでしょうか。独身男性である彼の態度によっては、「もしかして彼も本気で私を愛しているのかも」と思えてしまう場面があるかもしれません。

例えば、彼があなたに独占欲を見せたり、嫉妬心を垣間見せたりすると、「真剣に想ってくれている証拠かな」と感じることもありますよね。

彼が時折見せる優しさや情熱的な言葉は、あなたにとって何よりも嬉しく、希望の光になります。家庭では感じられなかった特別扱いを彼から受けると、「彼にとって私は特別な存在なんだ」と信じたくなるものです。

また、彼が自分のプライベートな話(仕事の悩みや将来の夢など)を打ち明けてくれたとしたら、「私だけに心を開いてくれている」と感じ、ますます絆を深く感じるでしょう。

こうした経験から、「既婚者の私と真剣に向き合ってくれている彼に、私も応えたい」と思い詰めてしまうケースもあります。

しかし、ここで注意したいのは、お互いの立場の非対称性です。あなたにとって彼は唯一無二の心の拠り所かもしれませんが、彼にとってあなたは人生の全てではない可能性があります。

彼には彼の自由な日常があり、その中であなたとの時間は限られているはずです。

とはいえ、彼が全く真剣ではないと言い切ることもできません。実際に独身男性が既婚女性に本気で想いを寄せてしまうこともあり、その場合は彼の方が嫉妬に苦しんだり、関係に葛藤を抱えたりすることもあります。

ただ、彼の気持ちが真剣かどうかを確かめることは難しく、また仮に真剣だったとしても、その先に「一緒になる未来」が用意されているわけではないのが、この関係の複雑なところですよね。

こうした曖昧さゆえに、あなたは彼の一挙一動に一喜一憂し、さらに離れられなくなってしまうのです。

彼の少しの優しさに救われ、少しの冷たさに不安になる。その繰り返しが、あなたの心をますます彼に縛り付けていると言えるでしょう。

第3章 離れられないのは“彼”のせい?それとも“自分”の感情?

① 優しさや気遣いに引き止められる

「もう終わりにしよう」と決意しても、彼のちょっとした優しさに触れるとその決意が揺らいでしまう…。そんな経験はありませんか?

離れようとする度に彼の優しさや気遣いに引き止められてしまうのも、離れられない大きな理由の一つです。

例えば距離を置こうと決めた矢先に「体調は大丈夫?」と彼から連絡が来たり、「無理しないでね」と労わる言葉をかけられたりすると、「やっぱりこの人は私を大切に思ってくれているんだ」と再確認してしまいます。

特に関係が始まった当初、彼から受けた優しさの記憶は強烈です。落ち込んでいた時に励ましてくれた、何気ない日にも「会いたい」と言ってくれた、そんな一つ一つの思い出が美化された宝物のように心に残ります。

そして辛いときにはついその記憶を取り出し、「彼ほど私を理解して優しくしてくれる人はいない」と感じてしまうのです。まさに、頭では「いけない関係だ」と分かっていても、心がどうしても彼を求めてしまう状況ですね。

実際、ある女性の告白では「頭の中では体だけの関係だし、これ以上はよくないと分かっているのに、彼が優しくしてくれたことを思い出すと、自分から連絡して会いに行ってしまうんです」といった声もあります。

このように、彼からもらった優しさや温もりが忘れられず、それが未練となってあなたの足を引き止めているのです。

② 相手の態度が決定的な別れを避けている

あなた自身は「やめなくては」と感じていても、彼の態度がどこか曖昧で、決定的な別れにならないことも、関係を続けてしまう理由かもしれません。

例えば、あなたが「もう会うのはやめよう」と切り出しても彼が強く引き止めたり、「わかった」と言いつつも後日何事もなかったかのように連絡してきたりする場合です。

彼のほうから完全に関係を断ち切る言葉が出ない限り、あなたも「まだ嫌われたわけじゃない」と感じてしまい、ズルズルと元の関係に戻ってしまうことがあるでしょう。

ときには、彼自身が関係を続けることに後ろめたさを感じて、「君の家庭を壊すつもりはないんだ。だから無理しなくていい」と言ってきたり、「割り切った関係でいよう」と提案してくるケースもあります。

一見すると冷静な言葉ですが、逆にそれは「このまま続けよう」というメッセージにも聞こえますよね。彼が明確に拒絶しない限り、あなたの心の中には「彼も離れたくないのでは?」という期待が残ってしまうのです。

人によっては、「自分からは別れを切り出せないけれど、彼が『終わりにしよう』と言ってくれたら諦めがつくのに…」という心理に陥ることもあります。実際に、「彼から別れたいと言われなければ離れられないかもしれない」と感じている女性もいます。

彼の態度がはっきりしないままだと、あなたもまた踏ん切りがつかず、心のどこかで決定打を彼に委ねてしまうのです。

③ 「終わったら何も残らない」という不安

離れたい気持ちと裏腹に、「もしこの関係が終わってしまったら、自分には何も残らないのではないか」という強い不安に駆られてはいませんか?

これは、離れられない心理の核心とも言えます。関係を失った後の喪失感への恐れが、現状維持を選ばせているのです。

彼との関係があなたの生活において大きな支えや癒しになっている場合、それを手放すことは今の自分の一部を失うような感覚に陥ります。

たとえ不安定で罪深い関係だとしても、その中で感じられた幸福感や充実感は確かに存在しました。その幸福感がなくなってしまったら、自分は空っぽになってしまうのでは…そんな思いが胸をよぎるのは自然なことです。

また、一度この関係が終わってしまえば、残るのは現実の結婚生活だけになります。そこに以前と同じ孤独や退屈さが横たわっているなら、なおさら「何も楽しみがなくなってしまう」と感じるでしょう。

特に、夫婦関係が冷え切っていたり会話が少なかったりする場合、彼と過ごす時間が心の彩りになっていたはずです。それを失う怖さは計り知れません。

そのため、心のどこかで「このままでもいいから、せめて今の幸せをもう少しだけ延長したい」と関係を続ける理由を探してしまうのです。

「今終わらせたら後悔するかも」「次に自分がこんな気持ちになれる相手は現れないかもしれない」と未来を悲観し、失うことへの恐怖が足かせになっているのでしょう。

第4章 罪悪感と背徳感、それでも切れない理由

① 罪悪感の裏にある“満たされなさ”

既婚女性が独身男性との関係を続けるとき、常につきまとうのが罪悪感背徳感です。

夫や家庭を裏切ってしまっているという後ろめたさに、胸が押しつぶされそうになる夜もあるでしょう。

それでも関係を断ち切れない背景には、その罪悪感を押してでも埋めたい何かがあるからかもしれません。

前述したように、それは心の中にある満たされない想いです。罪悪感を感じるということ自体、裏を返せば「本当は満たされたい」という強い欲求が心に存在する証拠でもあります。

例えば、夫からの愛情を感じられない寂しさ、家庭内で自分の居場所がないような孤独感。そういった満たされない気持ちを抱えたままでは、心にぽっかり空いた穴がずっと疼き続けます。

その穴を塞いでくれる存在として彼との関係があったからこそ、罪悪感を感じつつも手放せなくなっているのでしょう。

ある恋愛コラムでは、「既婚女性が独身男性との関係を続ける理由には、自分自身でも隠している満たされない心の空白がある」と指摘されています。まさにその空白が罪悪感の陰に隠れた原動力なのです。

罪悪感はもちろん辛いものですが、それ以上に孤独や空虚さの方が耐え難いために、人は禁断の道に足を踏み入れてしまうのかもしれません。

② 「誰にも言えないけど幸せ」という感覚

独身男性との関係は、人に誇れるものでは決してありません。友人にも家族にも相談できず、常に秘密にしておかなければならない関係です。

それでもあなたがこの関係を続けているのは、心の奥底で「誰にも言えないけど、確かに幸せなんだ」と感じている部分があるからではないでしょうか。

禁じられた恋であっても、彼と過ごす時間に感じる幸福感や充足感は本物です。

その瞬間だけは、日常の悩みや不満を忘れ、ひとりの女性として愛されている喜びを味わえる。「こんな幸せ、他の人には言えないけど、私にとっては本当に大切な時間…」そんなふうに感じること自体が、既にこの関係に心が縛られている証とも言えます。

しかし、誰にも言えない幸せは、ときに孤独な幸せでもあります。喜びを共有できないもどかしさ、人前では恋人のふりもできない切なさ。

例えば、記念日を祝いたくても堂々とはできず、写真一枚さえ残せない。楽しいデートの後に「今日は友達と会ってたの」と嘘をつかなければならない。

そのような現実に直面すると、「私はいったい何をやっているんだろう…」と急に虚しさが押し寄せる瞬間もあるでしょう。

それでもなお「彼と一緒にいられる幸せ」の方を選んでしまうのは、それがあなたにとって掛け替えのないものだからです。

秘密の関係ゆえに感じるスリルや特別感もあるかもしれません。二人だけの秘密を共有することで、むしろ絆が深まる感覚さえあるでしょう。

「誰にも言えないけど、この人といるとき私は満たされている」――その想いが強ければ強いほど、罪悪感を抱えながらも関係を続けてしまうのです。

③ 本当は誰かに気づいてほしい気持ち

誰にも言えない関係を続けていると、ふと「本当は誰かにこの苦しさを気づいてほしい」と思う瞬間があるかもしれません。

自分から「実は不倫をしているの…」と打ち明けることはできなくても、心のどこかで「誰か助けて」「このままじゃだめだよと言ってほしい」と救いを求める気持ちです。

もしかすると、あなたの振る舞いや表情に変化が現れて、それを敏感に察した友人が「何かあったの?」と心配してくれることを期待しているのかもしれません。

または、夫に対してわざと素っ気ない態度をとって「私の異変に気づいて」というサインを送ってしまう場合もあるでしょう。人は苦しいとき、無意識に救いのサインを周囲に出してしまうものです。

この「気づいてほしい」という気持ちの裏には、自分では関係を止められない弱さ誰かに受け止めてもらいたい孤独が潜んでいます。本当は自分ひとりの強さで関係を断ち切れればいいのですが、それができないからこそ、誰かに背中を押してほしいのです。

特に信頼できる友人や家族に打ち明けて「もうやめた方がいいよ」と言ってもらえれば、踏ん切りがつくのではと期待してしまうのです。

しかし実際には、不倫の悩みは非常に話しづらく、信頼できる人にすら秘密にしているケースがほとんどでしょう。そのため、結局はひとりで抱え込んでしまい、「誰も気づいてくれない…」とさらに孤独を深めてしまうのです。

本当は誰かに叱ってほしい、止めてほしいと願いながらも、それが叶わない現実が、またあなたを彼のもとへ向かわせてしまうのかもしれません。

第5章 続ける?終わらせる?迷いが晴れない女性たちの選択

① “関係を続ける理由”と“終わらせられない理由”の違い

迷いながら関係を続けていると、自分でも「私はなぜこの関係を続けているのだろう?」と自問することがあるでしょう。その答えを考える際に大切なのは、「続ける理由」と「終わらせられない理由」は必ずしも同じではないということです。

続ける理由とは、端的に言えば「彼が好きだから」「一緒にいると幸せだから」といった、ポジティブな動機に基づくことが多いでしょう。

一方、終わらせられない理由には、「別れる決心がつかない」「嫌いになれない」「孤独に戻るのが怖い」など、ネガティブな要因が隠れていることがよくあります。つまり、「本当は別れたくない」という心の本音があるがゆえに、別れを先延ばしにしてしまっているケースです。

例えば、「彼のことを本気で愛してしまったから頭ではダメとわかっていても終わらせたくない」というのは、続ける理由であると同時に終わらせられない理由でもあります。

自分では「別れたいのに別れられない」と悩んでいても、その実「別れたくない」という気持ちが勝っている可能性もあるのです。この矛盾する感情を整理することが、次のステップに進むためには不可欠です。

一度、自分の心に正直になって「本当はどうしたいのか」を見つめてみましょう。彼とこの先も関係を続けたいのか、それともいつかは終わらせたいのか。その答えは誰にも決められません。あなたの心が何を望んでいるのか、自分自身で認めてあげることが大切です。

その上で、続けるにせよ終わらせるにせよ、自分で選択するという意識を持つことが、後悔を減らすポイントになるでしょう。

② 自分にとってのリスクと冷静な計算

感情が揺れ動く中でも、一度立ち止まって現実的なリスクについて考えてみることは重要です。関係を続けるにせよ終わらせるにせよ、現実には様々なリスクや影響が伴うからです。

既婚女性が独身男性との関係を続ける場合、最も大きなリスクはやはり配偶者や周囲に発覚することでしょう。

万が一、夫に不倫が知られてしまえば、離婚に至る可能性は非常に高くなりますし、慰謝料など経済的・社会的な代償も避けられません。仮に離婚をしなくても、夫婦関係が元通りにいくことは難しく、長い目で見れば家庭全体に深刻な影響が及ぶでしょう。また、子どもがいる場合は、子どもの心を傷つけてしまうことも考えられます。

一方で、このまま関係を続けた場合、あなた自身の心身への影響も無視できません。常に秘密を抱えて生活するストレスや、将来への不安に苛まれ続けることは、精神的にも大きな負担です。

実際に、不倫をしている人は冷静な判断力を失いがちで、事が明るみに出て初めてその重大さに気づくケースも少なくないと言います。そうなる前に、リスクを具体的に想像してみることは有益でしょう。

では逆に、関係を終わらせた場合のリスクや影響は何でしょうか。

まず考えられるのは、喪失感や孤独感にどう向き合うかという点です。彼を失った寂しさで一時的に生活に支障をきたすかもしれません。しかしそれは、乗り越えることであなたの心に新たな強さをもたらす試練とも言えます。

また、彼との関係が終わった後、夫との関係をどうするかも課題になるでしょう。夫婦関係を改善したいのか、それとも別の道を考えるのか、自分の人生設計を見直す機会ともなります。

これらのリスクや影響を紙に書き出すなど、一度冷静に「計算」してみることをお勧めします。感情だけでなく事実を整理してみると、自ずと自分が取るべき選択肢が見えてくることもあります。

続けるにせよ終わらせるにせよ、そこにどんなリスクが潜み、何を失い何を得る可能性があるのかを把握しておくことは、後悔しないための備えとなるでしょう。

③ 終わらせた人たちのリアルな声(実際の例で紹介)

実際に似た状況から抜け出した女性たちは、どのような経験をし、何を感じたのでしょうか。ここではそれぞれのケースとして、二人の女性のエピソードを、簡単にご紹介します。

ケース1: 3年間の関係に終止符を打ったAさん(42歳)

Aさんは3年間、同僚の独身男性との関係を続けていました。家庭では夫との会話も少なく、彼との時間だけが心の支えだったと言います。

しかしある日、子どもの高校受験を機に「母親としてこのままでいいのか」と自問し、関係を終わらせる決心をしました。別れを告げた直後は、心にぽっかり穴が空いたようで毎晩泣いていたそうです。それでもAさんは、「自分が壊したくなかったものを守れた」と感じることで踏みとどまりました。

半年後、彼とは職場で必要最低限の会話のみになり、最初は辛かったものの、今では「不思議と彼がいなくても平気な自分」に気づいたと言います。Aさんは振り返って、「あのとき勇気を出して終わらせたから、家族に胸を張れる自分でいられる。何より、自分自身を嫌いにならずに済んだ」と語っています。

ケース2: 悩み抜いた末に関係を続けることを選んだBさん(36歳)

Bさんは独身男性との関係が2年目に差し掛かった頃、一度別れを切り出しました。しかしお互い涙ながらに別れを惜しみ、「もう一度だけやり直したい」と結局関係を続行。その後も何度も迷いが生じ、そのたびに別れ話と復縁を繰り返したそうです。

Bさんは「このままではいけないと分かっているのに、どうしても彼を失う勇気が持てなかった」と当時を振り返ります。最終的に彼女が出した結論は、「今はまだ終わらせない」という選択でした。

彼女は、「いつか本当に限界が来たら、そのとき終わりにする覚悟はある。でも今の私は、たとえ不安でも彼がいてくれる幸せにすがりたい弱い自分なんです」と、自分の心情を受け入れています。この決断が正しいかどうかは分からないけれど、少なくとも自分で選んだ道だからもう少し歩いてみる、とBさんは話していました。

これらのケースから分かるのは、人それぞれのタイミングと覚悟があるということです。終わらせた人は自分なりの理由と未来への展望を見出していますし、続けることを選んだ人も自分の弱さや気持ちを認めた上で決断しています。

他人がどう言おうと、最終的に選ぶのは自分自身。その選択には、どちらにせよ痛みも伴いますが、同時にそこから得られるものもあるのです。

第6章 それでも明日を選ぶなら──“今の自分”との向き合い方

① 感情を責めない

もしあなたがこの関係について悩み、苦しんでいるのなら、まず最初にしてほしいのは自分の感情を責めないことです。「どうしてこんな人を好きになってしまったんだろう」「自分は最低だ」と自分を追い詰めてしまえば、心はますます疲弊してしまいます。

あなたが彼に惹かれ、離れられなくなってしまったのには、それだけの理由や背景がありました。それは第1章から第4章までで見てきたとおりです。

あなたは決しておかしな感情を抱いているわけではありません。人が誰かに心惹かれるのは自然なことであり、その相手がたまたま独身の男性だった──ただそれだけのことです。

もちろん既婚者である以上、本来越えてはいけない一線を越えてしまった事実はあります。それについて反省や罪悪感を持つこと自体は、人間として真面目で良心がある証でしょう。ただ、その感情に飲み込まれて自分を否定するばかりでは、前に進む力が生まれません。

むしろ、「それほどまでに自分は満たされたいと思っていたんだな」「寂しかったんだな」と、今の自分の気持ちをありのまま認めてあげましょう。

自分の弱さや孤独を認めることは恥ずかしいことではありません。それができて初めて、本当の意味で自分をいたわり、癒すプロセスが始まるのです。

泣きたいときは泣いてかまいません。自分の心の声に耳を傾け、「そう感じてしまうんだから仕方ないよね」と優しく語りかけてあげてください。

② 失うことを恐れず、自分の軸を取り戻す

彼と離れる決断をするにせよ、関係を続けるにせよ、自分の軸を取り戻すことが大切です。ここでいう「自分の軸」とは、自分の人生における価値観や優先順位、大切にしたいものを指します。

彼との関係にのめり込んでしまっているとき、人はどうしても自分の軸がブレてしまいがちです。日々の思考の中心が彼とのことになり、他のことが手につかなくなったり、自分が本来何を大事にしていたか見失ってしまうこともあります。

まずは、彼を一旦、脇に置いて考えてみましょう。

あなた自身の人生にとって、一番大事にしたいものは何でしょうか。子どもの成長かもしれませんし、自分のキャリアや夢かもしれません。あるいは、失われた夫との信頼関係を取り戻すことかもしれません。

思い浮かぶものがすぐにはない場合でも、「本当はこういう自分でありたい」「こんな毎日を送りたい」というイメージでも構いません。それこそがあなたの軸を表しています。

次に、その大事なものを守るために、今の関係はプラスになっているかマイナスになっているかを静かに考えてみてください。

例えば、子どもを何より大切に思うなら、その子どもに胸を張れない自分でいることは本望ではないかもしれません。キャリアを積みたいなら、仕事中も彼のことで気を揉んで集中できない状況は本意ではないでしょう。自分の軸に立ち返ることで、「失いたくないもの」が見えてきます。

彼との関係を終わらせることは確かに彼という存在を失うことを意味します。それはとても怖く痛みを伴う決断です。

しかし、その恐怖ばかりに目を向けず、「何を守りたいか」「自分は何を失いたくないか」を考えてみてください。自分の軸に沿って決断したことなら、たとえ一時的に悲しみがあっても、いずれ「あれでよかったんだ」と思える日が来るでしょう。

自分自身の人生をしっかりと見据えた上で、勇気を持って一歩踏み出してみてください。

③ 本当に大事にしたいことは何かを見つける

最後に、本当に自分が大事にしたいことをもう一度見つめ直してみましょう。この関係に心を奪われている間、もしかしたら見落としてきた大切なものがあるかもしれません。

家族との穏やかな時間、自分の趣味や夢、中には自分自身の心と体の健康さえ後回しになっていたのではないでしょうか。

人は誰しも完璧ではありません。迷い、過ち、寄り道をしながら生きています。大切なのは、そこから何を学び、これからどう生きるかです。あなたがこの経験を通して気づいた「本当に大事にしたいこと」は何でしょうか。

もしかすると、それは「自分自身を大事にすること」かもしれません。自分を愛せないと誰かを愛し続けることも難しいというのは、よく言われることです。まずは、自分という人間を大切に扱ってあげてください。

他にも、「やっぱり家族が大事だと気づいた」という人もいるでしょうし、「次こそは自分をまるごと愛してくれる人との健全な恋愛がしたい」と思う人もいるでしょう。あるいは、「恋愛以外にも打ち込める何かを見つけたい」と新しい目標が生まれるかもしれません。

答えは人それぞれですが、あなたが苦しみ抜いた末にたどり着いた想いであるなら、それこそがあなたの人生にとって意味のある宝物です。

今はまだ出口が見えなくても、あなた自身が自分の人生を諦めない限り、必ず新しい明日がやってきます。そしてその明日には、今日までの葛藤があったからこそ手に入れられた大事な何かがきっとあるはずです。それが何かは、未来のあなた自身が教えてくれるでしょう。

だからどうか、自分を見失わないでいてください。どんな決断をするにせよ、あなたがあなた自身のことを大切に思い、より良い明日を選び取っていけることを心から願っています。

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